■丁寧なクリーニング

 採取された綿羽はまず、カビが生えないように屋外で乾燥させた後、大型の加熱器に入れて120度で8時間消毒・クリーニングする。

 草や卵の殻、海由来の異物なども除去される。

 仕上げに熟練の手作業で、徹底的にごみを取り除く。現在でもこの工程は機械化できていない。最も経験豊かなベテランでも、1キロの綿羽につき4~5時間かかる。

 最後に手洗いしてから殺菌し、絞って乾燥させる。

■上掛けは50万円以上

 アイダーダックの綿羽自体が希少な上、採取から徹底したクリーニングまでほぼ全工程が手作業という生産方法も相まって、アイダーダウンは非常に高価だ。

 ダウン800グラムを使ったシンプルな上掛けは、約64万クローナ(約56万円)で販売されている。

「ダウンのみを採取するのはアイダーダックだけ。他のダウンは大抵、食品製造の副産物です」とフリズリクスドッティルさんは述べた。同社は主にドイツと日本に輸出している。

 映像は7月4、5日撮影。(c)AFP/Jeremie RICHARD