バイキング、金髪・青い目ばかりではなかった 研究
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【9月18日 AFP】8世紀に欧州北部で略奪を繰り広げたバイキングは背が高く、金髪で、きわめて残忍なスカンディナビア(Scandinavia)人だというイメージが一般的だが、実際は従来考えられていたよりもはるかに多様性に富んでいたという新しい研究論文が発表された。
英科学誌ネイチャー(Nature)で今週発表されたこの論文は、現在デンマーク、スウェーデン、ノルウェーがあるスカンディナビア半島で見つかったバイキングの時代の遺伝的多様性に光を当てている。
論文の共著者、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)のアショット・マルガリヤン(Ashot Margaryan)講師はAFPに対し、バイキングは「全員がスカンディナビア人だったわけではない」と述べた。
マルガリヤン氏は、バイキングの多くは実際に金髪だったが、主に南欧と東欧からの移民の影響で「バイキング時代のスカンディナビア人は、現在のスカンディナビア人よりも暗い色の髪を持っていた」と説明した。
研究チームは欧州全域で見つかった8~12世紀の人骨の破片442個を分析。そのデータから、スカンディナビア半島南部で見つかった当時の骨はかなり多様であることが分かった。マルガリヤン氏は、貿易のほか、奴隷の影響もあったと語った。
今回の研究で、バイキングとその祖先が移住した場所も確認できた。ノルウェー人の祖先は主にアイルランド、アイスランド、デンマークのグリーンランド(Greenland)に、スウェーデン人の祖先は現在のバルト諸国に、デンマーク人の祖先は英国のスコットランドとイングランドに行ったという。(c)AFP