【8月13日 AFP】デンマークのテレビ局は12日、新型コロナウイルスが中国の研究所から職員を介して誤って流出したとする説に再びスポットを当てたドキュメンタリー番組を放送した。

 研究所流出説に中国は猛反発しているが、世界保健機関(WHO)の新型ウイルス起源調査団を率いたピーター・ベン・エンバレク(Peter Ben Embarek)氏によると、有力説の一つだという。

 エンバレク氏はデンマークの公共テレビTV2のドキュメンタリー番組で、「(研究所の)職員がフィールドワーク中に感染したというのは、有力説の一つだ。ウイルスが直接コウモリからヒトに感染するということだ」と語り、中国を激しく批判した。

WHOは3月29日、今年1月に実施した第1段階の調査の最終報告書に基づいた見解として、研究所流出説について「可能性が極めて低い」と結論付けた。

 しかしエンバレク氏は、調査団が中国の専門家らと研究所流出説について議論することは困難だったと明らかにした。調査終了の48時間前になっても、報告書で研究所流出説に言及することに同意してもらえなかったとされる。

 こうしたやり取りの後、調査団はコウモリの研究を行っている研究所2か所を訪問する許可を得たという。

 エンバレク氏は、「(コウモリ研究所訪問時)私たちはプレゼンテーションをした後、発言したり聞きたいことについて質問したりすることができたが、文書を閲覧する機会はなかった」と述べた。

 さらに、新型ウイルスの宿主とみられている種類のコウモリは、武漢(Wuhan)地域には野生で生息していないと指摘。この種のコウモリに近づいた可能性があるのは、武漢市の研究所の職員だけだと指摘した。(c)AFP