【8月12日 AFP】豪サウスオーストラリア(South Australia)州政府は12日、東京五輪から帰国した選手の一部に28日間の隔離を義務付ける判断を擁護した。同州の対応には有名スポーツ選手から「不快」や「恥ずかしい」といった批判の声も上がっている。 

 オーストラリアでは新型コロナウイルス対策として、すべての入国者に対してホテルなどの指定施設での14日間の隔離が義務付けられており、五輪に参加した500人近い代表団も対象となっている。

 サウスオーストラリア州政府は、シドニー経由で同州に戻った人にはさらに2週間の隔離を義務付けている。オーストラリアオリンピック委員会(AOC)はこの対応を「残酷」と批判。

 しかし、スティーブン・マーシャル(Steven Marshall)州首相は「大変なことで、選手たちに同情するが、シドニーから来た全ての人は14日間の隔離が求められている。サウスオーストラリア州は慎重にならざるを得ない。大変だがデルタ変異株は殺人ウイルスだ」とコメントし、必要不可欠な措置だと述べた。

 同州首相は、7月27日に解除された同州での1週間のロックダウン(都市封鎖)は、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州から帰ってきた住人が原因だったと指摘している。

 デルタ変異株の感染防止のためロックダウンが実施されているシドニーでは現在、サウスオーストラリア州に戻る選手56人のうち16人が隔離下に置かれている。

 国内の有名スポーツ選手はこの問題について意見を述べており、クリケットのグレン・マックスウェル(Glenn Maxwell)は「実際のところかなり不快」とすると、東京五輪のテニス男子単複に出場したルーク・サビル(Luke Saville)は「サウスオーストラリア出身者として恥ずかしい」と語っている。(c)AFP