【8月11日 AFP】北朝鮮の朝鮮労働党幹部は11日、米韓合同軍事演習をめぐり、強行すれば「深刻な安全保障の危機」に直面することになると警告するとともに、韓国は南北関係改善の機会を失ったと非難した。

 金英哲(キム・ヨンチョル、Kim Yong Chol)朝鮮労働党統一戦線部長は国営朝鮮中央通信(KCNA)を通じて発表した談話で、北朝鮮は韓国政府に「どれほど深刻な安全保障の危機に直面することになるか」自覚させると述べた。

 また、韓国は「南北関係改善の機会を逃し」、北朝鮮の「誠意に敵対行為」で応じたと非難した。

 前日には金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党総書記の妹で影響力のある金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-jong)党副部長も米国に対し、朝鮮半島(Korean Peninsula)から駐留軍を撤退させるよう要求していた。

 米韓両軍は来週から始まる夏季演習に向けて10日、予備演習を開始。北朝鮮はかねて、米韓合同軍事演習を自国に対する侵略の予行演習と捉えている。

 韓国と北朝鮮は先月、1年以上途絶えていた通信回線(ホットライン)を再開し、関係改善に向けた取り組みで両首脳が合意したと発表したばかり。しかし韓国国防省によると、北側は10日午後の定時連絡に応答しなかったという。(c)AFP