■残された疑問

 さらに、大会と中国共産党にとってもう一つ頭痛の種となっているのは、特にイスラム系少数民族に対する人権侵害をめぐり、人権団体や欧米の政治家からボイコットを求める声が後を絶たないことだ。

 米国は中国政府が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でジェノサイド(大量虐殺)を行っていると認定しており、専門家は同地区の収容所に100万人以上のウイグル人らが拘束されているとみている。

 中国政府はジェノサイドを否定し、収容所に関しては職業訓練センターであると説明している。

 米ニューヨークを拠点に国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)で中国の調査を行っている王亜秋(Yaqiu Wang)氏は、「アスリートたちは、この瞬間のために人生の全てを懸けて準備を行っているので、その機会を取り上げるのは間違いだ」と述べ、完全なボイコットを呼び掛けることには否定的な立場を示した。

 その上で、「アスリートは行くことができるとしても、スポンサーをはじめ各国の要人や有名人に関しては、大会に参加して中国政府が開催することに正当性を与えるべきではない」と語った。

 北京でウェブサイトのチャイナ・スポーツインサイダー(China Sports Insider)を運営しているスポーツアナリストのマーク・ドレイヤー(Mark Dreyer)氏は、北京五輪の開幕まで200日を切っているにもかかわらず、多くの疑問が残されたままだと指摘している。

「チケットの販売計画は公表されていない。観客についてはどうなっているのだろうか? 海外からのファンを受け入れることはなさそうだが、国内の観客はどうするのだろうか?」

「これらの事柄は全て、通常なら数年かけて計画されるものであり、これから大会までにはテスト大会も予定されているはずだ」 (c)AFP/Ludovic EHRET, with Peter STEBBINGS in Tokyo