【8月12日 CNS】国境を越えたeコマース(電子商取引)の発展に向け、中国の長江デルタ地域と内陸部の都市でつくる「長江デルタ内陸都市越境eコマース産業教育連盟」が上海市で設立された。「プラットフォームの共同構築、価値の共創、資源の共有、ウインウインの未来」を理念とし、「政府を結び、企業をつなぎ、イメージを形成し、ブランドを創造する」という戦略を志向する。国境を越えたエコロジー環境の創造、柔軟性のある産業サプライチェーンの育成、そして長江デルタと内陸部のトータルなブランディングを実践するため、新しいプラットフォームを共同で構築する。

 中国政府は2015年以降、5回にわたり全国計105か所で越境ECの包括的テストエリアを設置した。国際貿易における越境ECの重要度は日増しに高まり、2019年の越境ECの輸出入総額は2015年の5倍となる1862億1000万元(約3兆1674億円)に達した。テストエリアの企業は海外で1200以上の倉庫を持ち、サービス範囲は全世界をカバーしている。中国経済が高度成長期から中高速成長期の段階に入る「新常態(New Normal)」の下、越境ECは経済成長の新たな原動力となり、中国の対外貿易にデジタル変革とアップグレードをもたらす新たなエンジンとなっている。

 2020年末の時点で、長江デルタ地域には包括的な越境ECテストエリアが24か所あり、全国シェアの5分の1以上を占めている。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)調印に伴い、越境EC輸入テストエリアを拡大し、内需拡大と海外貿易を連携した「双循環」戦略に基づくデジタル技術の推進などの政策が導入される中、経済活動が最も活発な長江デルタ地域は越境ECの発展に最も重要な地域となる。しかし、長江デルタ地域と内陸部では越境ECに関する人材が不足し、資源が有効活用されていないのが現状だ。

 今回設立された連盟は、長江デルタ地域の4省と内陸部の12都市を拠点とする企業間の協力、産業の補完、プロジェクト連携を促進する役割を担う。行政と企業が強調して産業チェーンを確立し、越境EC業界のエコロジーシステムを構築する。

 また、連盟は広範囲なビジネス圏やビッグデータに基づき、浙江省(Zhejiang)自由貿易試験区金義(Jinyi)エリアや長江経済ベルト地域に根差した活動を進める。国際貨物列車ルート「義新欧」や物流拠点ライン「義甬舟」などの大規模なチャンネルを生かし、世界中の経済エリアと結びつき、国際市場の需要と供給に対応していく。

 さらに、eコマース企業、メーカー、サプライチェーン企業が互いに協力してサービス強化や人材育成を図ることで、デジタル経済、雑貨・食品、新エネルギー車、新素材、スマート機器製造、バイオ・健康産業を育成していく。連盟は長江デルタ地域の主要大学と戦略的協力関係を結び、越境ECの専門的人材を育成し、新事業の創出や創業を支援するプラットフォームを構築する。(c)CNS/JCM/AFPBB News