【8月11日 CNS】アジア開発銀行(ADB)は「アジア発展展望2021」を発表し、中国の今年の経済成長率は工業生産、輸出、サービス業の安定した発展に伴い8.1%と予測した。2022年は5.5%になると分析している。

 ADBは「新型コロナウイルスの流行再発により、アジアの一部で経済の回復が鈍化している」と指摘。今年のアジアの発展途上国全体の経済成長率はこれまでの予測値より0.1ポイント低い7.2%になると分析している。

 地域別では、中国や韓国が予想以上に経済が回復したとして、2021年の東アジアの経済成長率は4月の予測値より0.1ポイント増の7.5%に上方修正。中央アジアの成長予測も0.2ポイント増の3.6%とみている。一方、コロナ禍の影響を受けている南アジアは0.6ポイント減の8.9%、東南アジアは0.4ポイント減の4.4%、太平洋諸国は1.1ポイント減の0.3%に下方修正された。

 また、石油価格と多くの商品の価格の上昇により、今年のアジア・太平洋地域のインフレ予測は4月の2.3%から2.4%に引き上げられた。2022年の予測はこれまでと変わらず2.7%としている。

 ADBは「新型コロナウイルスの流行が依然として経済成長にとって最大のリスクになっている」と説明。アジア・太平洋地域の感染者は5月中旬のピーク時に約43万4000人に達し、6月末には約10万9000人に減少した。各国でワクチン接種が進んでおり、 6月末現在で100人当たり41.6回の接種が行われている。これは世界平均の39.2回よりも多いが、米国の97.6回、欧州連合(EU)の81.8回より下回っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News