【8月10日 AFP】イタリアの警察は9日、新型コロナウイルスワクチンの接種などに関する欧州連合(EU)のデジタル証明書「グリーンパス」の提示義務化から数日で、偽造パスを販売していたネットワークの一つを摘発したと発表した。

 偽造グリーンパスに関するこれまでの捜査で、2人の未成年者を含む容疑者4人の身元が特定されたという。

 欧州連合が推進するグリーンパスは、個人のワクチン接種状況などに関するデジタル証明書。パスの持ち主が少なくとも1回のワクチン接種を済ませたか、過去6か月以内にウイルスに感染し回復したか、または過去48時間以内に検査で陰性結果が出たことを証明する。

 イタリアでは6日から、映画館や美術館、屋内のスポーツ競技場、レストランの屋内席などを利用する際のグリーンパス提示が義務化された。9月1日からは長距離運行の電車やバスに乗る際にも必要になり、また学校・大学の職員や大学生にも義務付けられる。

 イタリアの郵便・通信警察は「偽造グリーンパスが売られている有名なオンライン・プラットフォームには、多数のユーザーが登録している。絶対的な匿名性が保証され、支払いは暗号資産(仮想通貨)かオンラインショッピングサイトのギフト券で行われており、150~500ユーロ(約1万9000~6万5000円)の値が付けられていた」と明らかにした。

 また、捜査の過程で通信アプリ「テレグラム(Telegram)」上の32グループを凍結したとも報告した。

 ロベルト・スペランツァ(Roberto Speranza)保健相は、過去3日間で2000万人の国民がグリーンパスのアプリをダウンロードしたとしており、偽造パスの捜査も継続されている。(c)AFP