【8月8日 AFP】7日に行われた東京五輪、新体操個人総合でロシア勢が金メダルを逃したことを受け、「バイアス」のかかった採点があったと同国が怒りの声を上げている。

 7日の決勝では、イスラエルのリノイ・アシュラム(Linoy Ashram)が最後のリボンでミスがあったにもかかわらず優勝し、世界選手権3連覇中だったロシア五輪委員会(ROC)のディナ・アベリナ(Dina Averina)が金メダルを逃すという、新体操の歴史でも最大級の波乱が起こった。これにより、ロシア勢は1996年のアトランタ五輪以来久しぶりに金メダルを逃し、20年にわたる覇権が終わりを迎えた。

 しかしアベリナは「きょうはフェアだったとは思わない」とコメント。ROCのスタニスラフ・ポズドニャコフ(Stanislav Pozdnyakov)会長も、国として国際体操連盟(FIG)に不服を申し立てると明かした。

 ロシアの著名人も、採点に偏りがあったと非難している。

 同国新体操連盟(VFHG)のイリーナ・ビネル(Irina Viner)会長は、国営テレビ局RTに対して「ディナは負けていない。勝っていた。しかし採点が甚だしく不当だった」とコメントし、「新体操への侮辱に他ならない」と憤った。

 そして、審判員がアシュラムを優遇していたと主張し、「彼らはロシアにうんざりしていた。だからイスラエルの選手を支持することにした」と話した。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官も怒りを表明し、審判員は「全世界が見ている前で捏造(ねつぞう)を行った」と非難した。

 プリマバレリーナのスベトラーナ・ザハロワ(Svetlana Zakharova)さんも、7日の採点をある種の「略奪」だと呼び、インスタグラム(Instagram)への英語の投稿で「どれだけ強調してもし足りないほど、信じられないくらいバイアスがかかっていて、アンフェアだった」と怒った。(c)AFP