【8月6日 AFP】(更新)ドイツ検察は6日、同国西部で発生した大洪水をめぐり、ラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州アールバイラー(Ahrweiler)郡の郡長に対し、過失致死などの容疑で捜査を開始したと発表した。

 検察によると、初期調査で「過失致死と過失傷害の疑いが認められた」ため「捜査を開始した」という。

 先月中旬に同国西部で発生した洪水では、189人が死亡、16人が依然行方不明となっている。氾濫した川が町や村を襲い、橋や道路、鉄道、民家を破壊した。近年最悪の洪水被害となり、住民に十分な警告が出されていたかどうか、疑問視する声が上がっている。

 検察は、アールバイラーのユルゲン・フーラー(Juergen Pfoehler)郡長が「唯一の意思決定権」を持ち、現行規則にのっとり対策の責任を負うべき人物だったことから、捜査の焦点になると説明した。

 さらに、対策本部の一員で、一時的に災害対応の指揮を執ったとされる別の人物も捜査対象になっているとしたが、氏名は公表しなかった。

 捜査員らが当時の状況を再現したところ、差し迫った洪水の恐れが予報されていたことから、自治体は7月14日の午後8時半までには警報を出し、アール(Ahr)川流域の住民を避難させるべきだったことが分かったという。(c)AFP