【8月6日 AFP】東京五輪から大会を引き継ぐ準備を進めるパリ五輪大会組織委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)会長は6日、2024年夏季五輪は「壮大な」なものになると話した一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や環境面で問題が生じる可能性があることを認めた。

 1年の延期となった東京五輪は、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の脅威にさらされる中、ほとんどの会場が無観客での開催となっている。

 現役時代、カヌー競技で金メダル3個を獲得したエスタンゲ氏は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は「適応力」を示したと評価し、それこそパリ大会の主催者が持ち帰るべき教訓だとしている。

「(パリ)五輪がどういう状況で開催されるのかまだ分からない」としたエスタンゲ氏は、「程度に差はあれ、われわれが気候か健康のどちらかに関連する問題に直面するのは確かだ。いざというときに決断を下せるようにしておかなければならない」と述べている。

「新型ウイルスとの共存に慣れる必要があることは理解しているが、2024年までに状況が改善していることを願っている」

 100年ぶりのパリ開催となる次回大会では、世界有数の観光地である同都市の魅力を存分に活用することになるとみられている。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は先日、パリ大会の開会式をセーヌ川(Seine River)で行う考えがあることを明かしていた。

 大会組織委によると、エッフェル塔(Eiffel Tower)を望むトロカデロ広場(Trocadero Square)ではビーチバレーボールが、ベルサイユ宮殿(Chateau de Versailles)では馬術が実施されるという。

 エスタンゲ氏は「われわれは式典をスタジアムの外に出し、パリの中心地で行いたいと考えていた」と明かし、「中心街での式典が可能かどうか、年内に見極めるのがわれわれの目標だ」と続けた。

 陸上競技は、1998年のサッカーW杯フランス大会のためにパリ郊外サンドニ(Saint Denis)に建設されたスタッド・ド・フランス(Stade de France)で開催される。

 エスタンゲ氏は、東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事からパリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長に五輪旗が引き継がれる8日の閉会式について、「未来の主催者という地位をようやく正式に引き継ぐことができて、とても興奮している」と明かした。

「パリで最後に五輪が開催されてから100年が経過し、われわれはそれを母国に持ち帰る」

「順調に進んでいる。100メートル走の速さでこのマラソンを走る準備ができている。加速しなければならない」 (c)AFP