バレエにネイルアート、固定観念に挑戦する豪ボクサー 母国に33年ぶりメダル
このニュースをシェア
【8月6日 AFP】東京五輪で、豪ボクシング代表として33年ぶりのメダルを母国にもたらすことが確定したハリソン・ガーサイド(Harry Garside、24)は、配管工の資格を持ち、バレエに「心を奪われた」と語る。試合には、両手にネイルアートを施して臨んだ。
ガーサイドは6日、男子ライト級準決勝でキューバのアンディ・クルス(Andy Cruz)に敗れて決勝進出はならなかったものの、銅メダルが確定した。
3日の準々決勝で勝利してメダル獲得を確実にした後、グローブを外して白いマニキュアで飾った指先を披露したガーサイドは、「きょう、こんなふうにした。正直なところ、ちょっとステレオタイプ(固定観念)を壊したいだけなんだ」と明かした。
一つ一つの爪には異なる色のラインが描かれていて、虹を象徴しているように見える。
「世の中には、男性だから、女性だからという理由で、こうでなくてはいけないと思っている人が多い」とガーサイドは話した。「自分はただ、人と違うことがしたいだけ」
「開会式にはワンピースを着て出るつもりだった。でも、誰かの気分を害したくはなかった」という。「誤解する人もいるかもしれないと思って。だから、これが自分なりのやり方だ」
人とはちょっと違うことに挑戦する姿勢は、ボクシングのトレーニングに関しても同じだ。ガーサイドは、より強いボクサーになれると信じて、バレエを習っている。
脚には、最強のボクサーと名高いウクライナのワシル・ロマチェンコ(Vasyl Lomachenko)のタトゥーを入れている。「大好きなボクサーだ。実は、彼も伝統的な踊りをやっている。他にも(バレエを)やっているアスリートはいる」
「それでバレエに挑戦してみたら、たちまち心を奪われてしまった」とガーサイド。「ボクシングのフットワークやテクニックの向上に、間違いなく役立っている。コーディネーションはとても大事だ。リングの上では体が硬くなりがちだけれど、おかげで少しリラックスできるようになったと思う」と説明し、「ボクシングの後も続けていきたい」と語った。(c)AFP/Peter STEBBINGS