【8月9日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が8日に40歳の誕生日を迎えた。四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇り、巨額の富を築き、熱烈なファンに崇拝されるスターのキャリアは今、大きな岐路に立っている。

 今年、フェデラーがここまで戦ったのはわずか13試合。新型コロナウイルスの大流行に影響された2020年は6試合のみで、2度膝の手術を受けた。

 今年の全仏オープン(French Open 2021)では4回戦まで進み棄権、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)では準々決勝でホベルト・ホルカシュ(Hubert Hurkacz、ポーランド)に3-6、6-7(4-7)、0-6で完敗した。

 これはフェデラーにとってウィンブルドンでの119試合目にして14敗目であり、同大会ではマリオ・アンチッチ(Mario Ancic)に1回戦で敗れた2002年以来のストレート負けであった。

 これでウィンブルドンでのキャリアは終わりかと尋ねられたフェデラーは、こう答えた。「分からない。整理しなければならない」

 その後も前向きな兆しはみられていない。

 北米のハードコートシーズンに備え、東京五輪への出場を取りやめたフェデラーだったが、5日には全米オープン(US Open Tennis Championships 2021)前の重要な前哨戦であるカナダ・トロントと米シンシナティ(Cincinnati)での2大会を欠場すると発表した。

 フェデラーの最後のグランドスラム優勝は2018年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2018)。当時すでに36歳で、史上2番目に高齢のグランドスラム優勝者だった。

 その後、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は8度、フェデラーの長年のライバル、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も4度グランドスラムタイトルを獲得。現在、この2人は四大大会通算20勝でフェデラーと並んでいる。

 2019年のウィンブルドン決勝で2本のチャンピオンシップポイントを逃し、ジョコビッチに痛恨の敗戦を喫した前日、フェデラーは引退する時期は決めていないと語っていた。

「そのことは、いつも妻と話し合っている。家族について、子どもについてね。みんなはツアーを回ることで幸せなのか。荷造りして5、6、7週間と転戦して幸せなのか。本当にそうしたいのか」

「当分の間、問題は全くなさそうだ。素晴らしいね」 (c)AFP/Dave JAMES