【8月6日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は5日、東京五輪のベラルーシ陸上代表でポーランドに亡命したクリスツィナ・ツィマノウスカヤ(Krystsina Tsimanouskaya)選手に帰国を強制したとされるベラルーシ代表チームのコーチら2人について、大会参加資格を剥奪したと発表した。

 大会参加資格を剥奪されたのは、アルトゥール・シュマク(Artur Shimak)氏とユーリー・モイセビッチ(Yury Maisevich)氏。すでに2人とも選手村を退去したという。

 IOCはこれに先立ち、強制帰国により自身の命に危険が及ぶと訴えて羽田空港(Haneda Airport)で保護を求めたツィマノウスカヤ選手の件で、2人が果たした役割を調査していることを明らかにしていた。

 ベラルーシでは、強権支配を続けるアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が昨年の大統領選で6期目の当選を果たしたと主張し、政局が混乱。反体制派への弾圧が続く中、多くのスポーツ関係者も抗議の声をあげたが、ツィマノウスカヤ選手もその一人だった。

 ツィマノウスカヤ選手は、出場予定のなかったリレー競技に何の通知もなくエントリーされていたとして、ベラルーシの五輪委員会を批判。代表から外され、帰国を指示されたと主張していた。

 IOCは、コーチら2人には「意見を述べる機会が与えられる」としつつ、選手村に滞在中のベラルーシ代表の「選手たちの健康のために」今回の措置を取ったと説明した。(c)AFP