【8月3日 AFP】ドイツ保健省は2日、9月から新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(ブースター接種)を開始すると発表した。感染力の強いデルタ株の感染拡大が懸念される中、12~17歳がワクチン接種を受けやすくするとも述べた。

 イェンス・シュパーン(Jens Spahn)保健相と16州の保健相は協議の結果、高齢者やリスクの高い人にブースター接種を行うことで合意した。2回の接種を終えた人の一部で「免疫反応の低下または急速な減少」が懸念されることを理由に挙げている。

 発表によると、高齢者施設などにワクチン接種チームを派遣し、入居者がこれまでに接種したワクチンの種類にかかわらず、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャー・ビオンテック(BioNTech)の共同開発ワクチン、または米モデルナ(Moderna)製ワクチンのブースター接種を行うという。

 医師は、免疫が弱っている人を含め、条件を満たす人にブースター接種を行うことができるようになる。

 英アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチンの2回接種や、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンの1回接種を受けた人にも「予防医療の観点から」ブースター接種が行われるという。

 アストラゼネカとJ&Jのワクチンはいずれもウイルスベクターワクチンであるのに対し、ファイザー・ビオンテックとモデルナのワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとなっている。

 保健相らは、国の規制機関である独予防接種常任委員会(STIKO)の方針よりも一歩踏み込み、新型コロナワクチンを12歳以上に広く提供することにも合意した。

 STIKOは現在、12~17歳の新型コロナワクチン接種について、推奨対象を持病がある場合や、重症化リスクの高い人と同居している場合に限っている。(c)AFP