【8月3日 AFP】南米コロンビアの地方自治体が2日、新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否する住民にしびれを切らし、自宅待機を命じた。違反すると罰金が、再度違反すると禁錮が科される。

 スクレ(Sucre)県スクレ市のエルビラ・フリア・メルカド(Elvira Julia Mercado)市長は地元ラジオで、「私たちは指導者として、強い姿勢で臨まなければならない。(中略)全員がワクチンを接種しなければならないし、そうでなければスクレ市内を移動することはできない」と語った。

 同市では2万8000人の市民全員の接種に十分な量のワクチンを確保している。それにもかかわらずまだ接種していない人々に対し、市長は8日間の自宅待機令を出した。

 市長によると、フェイクニュースが原因で、これまでに接種を希望したのは1万人にとどまっているという。

「宗教上の理由で接種を受けたがらない人や、飲みに行けなくなると言われて接種を受けない若者もいる。(中略)2年後に死ぬと言われたり、ワクチンは反キリスト的だと言われたりした人もいる」と市長は述べた。

 自宅待機令の下のワクチン未接種者は、医療機関の受診かワクチン接種以外の目的では、外出できない。

 スーパーマーケットやバー、ディスコ、レストラン、銀行、商店などでは、ワクチン接種証明書の提示が義務付けられる。違反者には260ドル(約2万8000円)相当の罰金が、再違反者には禁錮が科される。

 この措置は施行から8日後に、その時の流行状況に応じて見直される。

 人口5000万人のコロンビアは、中南米諸国の中で人口当たりの新型コロナによる死者数がペルー、ブラジルに次いで3番目に多い。これまでに約500万人の感染が確認され、12万1000人の死亡が報告されている。一方、ワクチン接種を完了した人は約1220万人となっている。(c)AFP