【8月2日 AFP】(更新)東京五輪のベラルーシ陸上代表、クリスツィナ・ツィマノウスカヤ(Krystsina Tsimanouskaya、24)が自国の五輪委員会を批判し、帰国命令を受けたとされる問題で、ポーランドの外務次官は2日、ツィマノウスカヤに人道ビザ(査証)を発給したと明らかにした。また同選手の夫も同日AFPに対し、妻はポーランドに向かう可能性が高いと語った。

 ポーランドのマルチン・プシダチ(Marcin Przydacz)外務次官は、ツィマノウスカヤは「東京にいるポーランド外交官とすでに直接的に接触しており、人道ビザを受け取った。ポーランドは(同選手が)アスリートとしてのキャリアを続けられるよう支援するために必要なことはすべてする」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 また同選手の夫は、自身もすでにベラルーシを出国してウクライナの首都キエフにいるとAFPに明かし、妻は「ポーランドに行く可能性が高い」として、「近いうちに」合流したいとの考えを示した。

 ツィマノウスカヤは、出場予定のなかったリレー競技に何の通知もなくエントリーされていたとして、ベラルーシの五輪委員会を批判。代表から外され、帰国するよう指示されたと主張していた。

 国際オリンピック委員会(IOC)によると、同選手は1日夜、飛行機への搭乗を回避するため東京五輪関係者に保護を求め、空港のホテルで1泊した。

 2日にはチェコが、ツィマノウスカヤの亡命受け入れを申し出ていた。同国のヤクブ・クルハーネク(Jakub Kulhanek)外相は、「もし同選手がわれわれの申し出を受け入れる決心をするなら、可能な限り支援する。五輪は政治とは無関係だ、(ベラルーシのアレクサンドル・)ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)政権の手法は全くもって恥ずべきものだ」と批判していた。

 またスロベニアのヤネズ・ヤンシャ(Janez Jansa)首相も、受け入れを表明した。(c)AFP