【8月2日 AFP】東京五輪のゴルフ男子で、プレーオフの末に銅メダルを逃した松山英樹(Hideki Matsuyama)が1日、母国大会でメダルを獲得できなかった悔しさを口にした。

 4月にアジア選手初のマスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)覇者となった松山は、金メダルを獲得したザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele、米国)と1打差の単独2位で最終日を迎えたが、スコアを稼ぎやすいコンディションの中で2ストロークしか伸ばせず、通算15アンダーでラウンドを終えると、7人によるプレーオフの1ホール目で脱落して銅メダルを逃した。

 松山にとって今回の五輪は、金メダル獲得という地元の期待と、1か月前にかかった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの回復という、二つの重圧との闘いだった。

 その中で4日間を通じて冷静さを保ち、優勝争いに絡んでいたが、一番大事な場面でぐらつき、一つでも取れればメダルという残り4ホールでいずれもバーディーを逃した。会場の霞ヶ関カンツリー倶楽部(Kasumigaseki Country Club、パー71)は日本ジュニア選手権(Japan Junior Golf Championship)と2010年のアジア・パシフィックアマチュア選手権(2010 Asia-Pacific Amateur Championship)で優勝した縁起の良いコースだったが、最後は一歩届かなかった。

 普段あまり感情を表に出さない松山も、この日は明らかに動揺した様子で「もちろん金を目指してやっていた。バーディーを取って終われれば銅メダルというのは分かっていた」と話し、「悔しさしか残らない」と嘆いた。

 それでも松山は「なかなか自分が思っているパフォーマンスは出せなかったが、こうやって上位で争えたことは良かった」とも話し、「なかなか最後の部分はうまくいかなかった。自分の課題がはっきりした。また次に向かって頑張っていきたい」と前を向いた。(c)AFP/Daniel HICKS