【7月30日 AFP】30日に行われた東京五輪の競泳男子200メートル背泳ぎで、ロシア五輪委員会(ROC)のエフゲニー・リロフ(Evgeny Rylov)が金メダルを獲得したことについて、同種目銀メダルに終わった米国代表のライアン・マーフィー(Ryan Murphy)は、「自分が泳いでいるのはクリーンなレースではないかもしれない」と疑問を投げ掛けた。

 100メートルに続く背泳ぎ2冠を果たしたリロフは、この発言に「驚いた」とコメントし、「奇妙」な話だとしている。

 マーフィーは100メートルで銅メダルに終わっており、リロフに対して今週2度目の敗北となった。また、100メートルではリロフと同じくROCのクリメント・コレスニコフ(Kliment Kolesnikov)が銀メダルを獲得していた。

 リオデジャネイロ五輪の200メートル背泳ぎでは、マーフィーが金メダルに輝き、リロフは銅メダルだった。しかし、同種目でマーフィーが1分54秒を切ったのは2018年の一度だけであるのに対し、リロフは世界水泳(FINA World Championships)で2連覇を果たすなど、その後の両者は対照的な道のりをたどっている。

 マーフィーはレースがフェアだったと思うか聞かれると、「15個くらい考えがあるが、そのうち13個は言ったら問題になりそうだ。そういうことだ。そういう考えにとらわれないようにしている」と答えた。

「1年を通し、おそらくクリーンではないレースで泳ぐのは精神的に非常に厳しい。だがそれが現実だ」

 ロシアは国家ぐるみのドーピング違反を認定され、東京五輪の選手団派遣を禁止されているが、330人以上の選手がROCの名の下に大会に参加し、母国カラーのウエアを着ることが認められている。

 そのため、ロシアは今大会で大きな存在感を示しており、処分が十分ではないという声が多く上がっている。(c)AFP/Thomas ALLNUTT