【7月29日 AFP】国際オリンピック委員会 (IOC)は29日、日本国内で新型コロナウイルス感染者が増加していることについて、東京五輪とは一切関係がないとの認識を示した。

 これに先立ち、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は同日、新型コロナウイルス検査で新たに大会関係者24人が陽性と判明したと発表した。1日当たりの陽性者数としては、これまでで最多となった。

 組織委の公式発表に基づく累計では、選手、メディア関係者、大会職員、下請け業者ら五輪関連の陽性者は少なくとも193人に上っている。この累計には、空港や事前合宿地での検査で陽性となった人数は含まれていない。

 日本国内では28日、新たに9583人の感染が確認され、1日の感染者数として初めて9000人を超えた。東京都の新規感染者数も過去最多を記録した。

 こうした中、 IOCのマーク・アダムズ(Mark Adams)広報部長は記者会見で、感染者数の増加と東京五輪の関連性を示すものは何もないと主張。「私の知る限り、選手や五輪の活動から東京都民に感染が広がった事例は一つもない」と語った。

 さらに「私たちは、おそらく世界の…どこよりも最も検査が行われているコミュニティーだ。その上、選手村では最も厳格な部類のロックダウン制限が実施されている」と述べた。

 IOCや組織委は、東京五輪が日本の医療システムを圧迫することはないと強調しているが、専門家らは感染者が増え続ければ医療崩壊につながると警鐘を鳴らしている。

 アダムズ氏は「31万回の検査が行われ、陽性率は0.02%だ」と付け加えた。組織委などによると、大会関係者で入院しているのは2人だけで、看護が必要な陽性者の半数は自国の医療チームが対応している。また、大会関連の陽性者のうち109人は日本在住者だという。(c)AFP