【7月29日 AFP】東京五輪は29日、競泳の各種目決勝が行われ、男子100メートル自由形では米国のケーレブ・ドレッセル(Caeleb Dressel)がオーストラリアのカイル・チャルマース(Kyle Chalmers)を抑え、金メダルを獲得した。

 世界水泳(FINA World Championships)の同種目で2度の優勝を誇るドレッセルは首位でターンすると、猛烈な追い上げを見せるチャルマースをなんとか振り切り、47秒02の五輪記録を樹立した。

 2着となったチャルマースは47秒08をマークし、ロシア五輪委員会(ROC)のクリメント・コレスニコフ(Kliment Kolesnikov)が47秒44で銅メダルを獲得した。

 ドレッセルの金メダルは、第1泳者として優勝に貢献した男子4×100メートルリレーに続き今大会二つ目で、五輪の個人種目はこれが初制覇となった。

 一方、女子4×200メートルリレーは波乱の展開となり、中国が7分40秒33という驚きのタイムで金メダルを獲得した。同種目が採用された1996年のアトランタ五輪以降、米国とオーストラリア以外の国が優勝するのは今回が初めて。

 楊浚瑄(Junxuan Yang)、湯慕涵(Muhan Tang)、張雨霏(Yufei Zhang、チョウ・ウヒ)、李氷潔(Bingjie Li)が圧倒的な泳ぎを見せて終始リードしていた中国は世界記録を更新し、7分40秒73の米国を2位に、7分41秒29のオーストラリアを3位に抑えた。上位3か国のタイムは全て、2019年にオーストラリアが記録した以前の世界記録である7分41秒50を上回っていた。

 また男子200メートル平泳ぎでは、オーストラリアのアイザック・スタブルティクック(Izaac Stubblety-Cook)が金メダルを獲得。オーストラリア勢の同種目制覇は、1964年に行われた前回の東京五輪以来となった。

 オランダのアルノ・カミンハ(Arno Kamminga)にリードされていたものの、最後の50メートルで追い上げを見せたスタブルティクックは、2分6秒38で五輪記録を更新し、カミンハを2位、フィンランドのマッティ・マッツォン(Matti Mattsson)を3位に抑えた。世界水泳で2度の優勝を誇るROCのアントン・チェプコフ(Anton Chupkov)は4位に終わっている。

 女子200メートルバタフライでは、張雨霏が史上3番目に早いタイムで金メダルを手にした。

 100メートルバタフライでも銀メダルを手にしている23歳の張雨霏は2分3秒86の五輪記録をマークし、2位に入った米国のリーガン・スミス(Regan Smith)、3位に入った米国のハリ・フリッキンガー(Hali Flickinger)に大差をつけた。

 新種目の男子800メートル自由形では、米国のロバート・フィンケ(Robert Finke)が7分41秒87で初代王者に輝き、終盤に失速したイタリアのグレゴリオ・パルトリニエリ(Gregorio Paltrinieri)が銀メダル、ウクライナのミハイロ・ロマンチュク(Mykhailo Romanchuk)が銅メダルとなった。(c)AFP/Martin PARRY