【7月31日 CGTN Japanese】中国航天科学技術集団によりますと、このほどの打ち上げミッションではフェアリング(ロケットの先端部分の部品)の落下地域を制御する技術を搭載し、そのテストに成功しました。これにより、フェアリングが大気圏に再突入する際の構造崩壊の難題が打破されました。運搬ロケットのフェアリングのパラシュート降下が初めて実現したことは、今後のフェアリングの落下地域制御に基礎を築いたことになります。

 中国の四つのロケット発射場のうち3カ所は内陸部にあるため、運搬ロケットの残骸の陸地への落下は避けられません。経済が発展し、ロケット残骸の落下地域がもともとの人口希少地域から人口や生産生活施設が比較的集中する地区へと変貌したことから、ロケット打ち上げの都度、残骸落下地域の住民疎開の負担と地上施設破壊のリスクが大きくなりました。その上、近年は打ち上げの頻度が増したため、ロケット残骸落下地域の安全性と疎開に関わる保障問題の解決が待たれており、運搬ロケット残骸が落下する地域の精密な制御技術の研究開発が急務でした。

 今回テストに成功した技術はフェアリングの内部にパラシュート制御電気システムとパラシュート降下システムを設け、この二つを通してフェアリング残骸を制御することで、安全な地域への定点降下を可能にするものです。この技術が完成し成熟すれば、フェアリングの落下地域の面積は80%以上縮小することができるため、落下地域の安全性を大幅に高め、住民疎開の負担を大幅に軽減することができます。

 長征2号丙遥49ロケットは19日に西昌衛星発射センターから打ち上げられ、ミッションを順調に達成しただけでなく、パラシュートを使ったフェアリング落下地域の制御技術を搭載して検証したということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News