【7月28日 CNS】中国では、5か月前にアリババ(Alibaba)傘下の音楽ストリーミングサービス蝦米音楽(Xiami Music)が正式にサービスを停止したことで、オンライン音楽プラットフォームの市場構造の再編が進んでいる。これにより、オンライン音楽プラットフォームの独占著作権に頼った市場での争いは、業界内で話題を引き起こしている。

 音楽プラットフォームの独占著作権の争いには長い経緯がある。「音楽の独占著作権が大きく注目されるようになったのは、2016年にテンセントミュージックエンターテインメント(TME)とネットイース・クラウド・ミュージック(網易雲音楽)の音楽著作権争いから始まった」。デジタル音楽著作権の商業発行プラットフォーム「VFine Music」の創業者である唐子御(Tang Ziyu)氏によると、「音楽の独占著作権」についての公衆の誤解は今なお残っており、音楽の独占著作権の獲得は、当該歌曲の所有権の獲得を意味すると思われているが、実際は著作権の代理権の獲得にすぎないという。

「音楽の独占著作権にはいくつかの意味がある。第一に、音楽の独占著作権は独占使用権を指す。第二に、音楽の独占著作権の使用はストリーミングメディア分野に限定される。例えば、ある歌曲はQQ音楽アプリが再生されている場合にのみ独占著作権があり、ファーウェイ(Huawei)がスマホでこの歌曲を使用したい場合はQQ音楽アプリをインストールするしかない。ファーウェイに当該歌曲を直接提供する場合は著作権侵害となる。また、この歌曲をほかのショート動画配信プラットフォームや、映画、バラエティなどにライセンス供与することも著作権侵害となる」。

 上海漢盛法律事務所のシニア・パートナーである李旻(Li Min)氏は、「音楽の独占著作権」とは音楽著作権の独占的なライセンスであり、著作権者が音楽作品を唯一の音楽プラットフォームにライセンス供与し、そのプラットフォーム上でのみ聴くことを意味する。音楽作品だけでなく、映画やテレビドラマなどの映像作品もこれに該当すると言う。

 では、音楽の独占著作権の購入は国際的には、一般的なことなのだろうか?「海外で独占という概念はほとんどなく、せいぜいあるプラットフォームで独占的に3日から1週間くらい早めにリリースするくらいだ」と、音楽著作権プラットフォームである成都嗨翻屋科技有限公司(HIFIVE.AI)の創業者兼CEOの周倩(Zhou Qian)氏は述べた。

「海外のプラットフォームは、資産ではなく、製品の差別化やクライアントサイドに注力しているので、ユーザーにとって有利だ」。唐氏によると、海外では、音楽の独占著作権という言い方はほとんどしないという。

 2015年から、国家版権局はネットワークオーディオの著作権秩序を特別に整備した。

 メディアの最近の報道によると、国家市場監督管理総局はテンセント(Tencent)傘下の音楽ストリーミングメディア部門に独占著作権の放棄の要求を準備しているという。この記事の脱稿時点で、テンセント側からの回答はまだない。

 最近、業界で独占著作権を手離すことが再度議論されている。著作権資源という直感的要素の重要性が薄れた後、オンライン音楽市場の再編は進むのだろうか?

 周氏によると、各プラットフォーム間の著作権コンテンツが似ているとすれば、プラットフォームの競争は製品の革新とより良いユーザー体験によるものでなければならないという。(c)CNS/JCM/AFPBB News