【7月28日 AFP】東京五輪の男子ゴルフは29日に無観客で開幕するが、松山英樹(Hideki Matsuyama)が第85回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)で獲得したグリーンジャケットに続いて五輪の金メダルを目指している中で、日本ではゴルフに熱狂的な人々が同選手のドライバーショット、チップショット、そしてパットにくぎ付けになるだろう。

 アジア勢初のマスターズ王者となった松山は、日本のゴルフ界で神のようにあがめられており、29日のティーオフでは金メダルを獲得することへの母国の大きな期待を背負い、普段以上の重圧に対処しなければならなくなる。

 しかし、会場の霞ヶ関カンツリー倶楽部(Kasumigaseki Country Club)では、アジア・パシフィックアマチュア選手権(Asia-Pacific Amateur Championship)での初優勝や日本アマチュアゴルフ選手権(Japan Amateur Golf Championship)制覇など、過去に大きなタイトルを獲得した良い感覚と共にプレーできるだろう。

 米男子ツアーで通算3勝を記録し、東京五輪では日本代表のヘッドコーチ(HC)を務める丸山茂樹(Shigeki Maruyama)は、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)で松山が優勝したことで日本ゴルフの競技レベルが急成長し、同選手の金メダルを後押しすると確信している。

 丸山HCは「経済効果はとてつもない。彼の肩にあまり重荷を背負わせるわけにはいかないが、英樹がそのレベルに到達してきているのは間違いない」と話し、「誰もが彼の快挙を誇りにしている。彼にとっては重荷かもしれないが、日本では全員が彼に高い期待を抱き続けていくだろう」との認識を示した。

 同HCはまた、「彼はわれわれに大きな夢を与えてくれた。そう思っている。日本では現在ゴルフブームが起きている」とし、「そのおかげで、次の英樹になりたいと思っている多くのジュニアゴルファーが、これからも増えていくのは間違いない」とも語った。

 松山は最近、東京五輪での目標を聞かれると「大会に出て金メダルを勝ち取ること」と回答。そして「それが目標であり、全力を尽くして達成するつもり。あと10年から15年くらいは現役でプレーするだろうから、日本にいる子どもたちや若手ゴルファーの手本や模範になるべく、ベストを尽くしていきたい」と話した。

 4月にオーガスタでグリーンジャケットを獲得してからというもの、松山は特別な注目や契約上の義務など、あらゆる物事に対処しなければならなかったといい、「これまで以上に要求されることがたくさんあるけれど、それはうれしいことだ」と語った。

「これからも良いプレーを続けていくこと、そして要求がとてつもなく高くなっていくことを願っている」

「自分は日本人もグリーンジャケットを着られることを証明した」 (c)AFP