【7月23日 AFP】新型コロナウイルスの感染者が増加する英国で、スーパーマーケットと納入業者は23日、従業員が自主隔離を求められることで、食品が品薄になる恐れがあると警告した。

 英イングランドは今週、新型ウイルス対策の規制をほぼ全面的に解除したが、感染者数は増加している。これに伴い、数百万人の労働者や生徒・学生が接触者追跡規則に従って自宅待機を余儀なくされており、さまざまな業界に影響が出始めている。

 こうした事態は、濃厚接触者とされた人に自主隔離が必要なことを通知するスマホアプリにちなみ、「ピングデミック」と呼ばれている。

 新聞各紙は、空になったスーパーの棚の写真を掲載。店舗や供給網で働き手がいなくなったことで小売店の営業に支障が出ており、休業する店も出てきた。

 冷凍食品スーパー「アイスランド(Iceland)」のリチャード・ウォーカー(Richard Walker)社長はBBCラジオ(BBC Radio)で、「当社は新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の間も全店舗の営業を続けてきたが、現在は1、2店舗を休業し、他の店舗も営業時間を短縮せざるを得ない」と説明した。「この国のシステムが整わなければ、あっという間にはるかにひどくなる恐れがある」

 英道路運送協会(RHA)幹部のロッド・マッケンジー(Rod McKenzie)氏は、英国はすでに欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)で大型トラックの運転手不足に悩まされており、自主隔離問題はもはや「混乱のもと」だと語った。(c)AFP/Joe JACKSON