【7月22日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ(John Coates)副会長が、2032年夏季五輪の開催地に決まったオーストラリア・ブリスベン(Brisbane)があるクイーンズランド(Queensland)州の女性州首相に対し、東京五輪の開会式に出席するよう「どう喝した」として豪国内で非難が噴出している。上から目線で女性に説教する時代遅れの「マンスプレイニング恐竜」だとやゆする声もある。

 オーストラリア・オリンピック委員会(Australian Olympic Committee)の会長でもあるコーツ氏は21日夜、2032年の五輪開催地が発表された後、東京五輪の開会式を欠席する予定のアナスタシア・パラシェ(Annastacia Palaszczuk)州首相を公の場で叱り付けた。

 腕を組んで椅子に深く座ったコーツ氏は、パラシェ氏に向かって「君は開会式に出るんだ」と言った。「私はまだ(2032年夏季五輪)招致委員会の副会長で、私が知る限り、2032年にも開会式と閉会式がある。君たち全員には、あそこで交流して伝統的な部分、開会式のなんたるかを理解してもらう」

 さらにコーツ氏は、「君たちは誰一人として部屋に残ったり隠れたりはしない、そうだな?」と続けた。

 パラシェ氏は豪政界でも地位の高い女性のひとりだが、コーツ氏の発言の間、見るからに居心地の悪そうな様子で始終黙っていた。その後の会見で、パラシェ氏は「誰の気分も害したくないので」と述べ、その場を後にした。

 オーストラリアの議員らはコーツ氏の言動を激しく批判し、謝罪を要求。辞任を求める声も出ている。

 無所属のレックス・パトリック(Rex Patrick)上院議員は、コーツ氏について「社会的にも政治的にも(時代遅れの)恐竜だ。雲の上の利己的なオリンピック・バブルの中に長く居過ぎた」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ソーシャルメディアでも、コーツ氏がパラシェ氏を「どう喝した」などと非難が殺到。ある人はツイッターに「誰かがマンスプレイニング恐竜とはどんなものと質問したら、コーツがただ手を挙げた」と投稿した。(c)AFP