■住民はなかなか戻らない

 マアルーラは2013年秋に反体制派と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム過激派の手に落ちた。キリスト教徒の住民の大半が村を離れざるを得なくなった。

 聖テクラ修道院では、修道女13人が当時のアルカイダ系の戦闘員に誘拐され、その後、シリア政府側が収容していた受刑者との交換によって、2014年3月に解放された。翌月、シリア政府軍がマアルーラを奪還している。

 奪還から数年が経過したが、主にギリシャ正教徒が占める約6000人の住民も、外部からの訪問者も、戻って来ていない。

 マアルーラで育ったダマスカス県のユセフ・イブラヒム(Yussef Ibrahim)副知事は、歴史あるこの村に外交官や諸外国の要人が訪れていた当時を覚えている。「多くの人が洞窟で祈りをささげ、(病を)癒やそうとマアルーラを訪れた」

「またあの人たちが来てくれたらとてもうれしい」

 映像は6月29日撮影。(c)AFP