【7月22日 CNS】中国南西部の雲南省(Yunnan)で北上を続けるアジアゾウの群れから離れて単独行動をしていたオスのゾウが7日早朝、雲南省玉渓市(Yuxi)紅塔区(Hongta)の住宅地域に入ったため、同区の安全対策指揮部が捕獲した。同日午後3時、ゾウの群れがもともと生息していた省内の西双版納(シーサンパンナ、Xishuangbanna)国家自然保護区に移送された。ゾウの体調に異常はないという。

 アジアゾウの群れは昨年3月に西双版納の生息地から突然、北上を開始。雲南省内の玉渓市や紅河ハニ族イ族自治州(Honghe Hani Yi Autonomous Prefecture)などを通過し、今年6月に省都・昆明市(Kunming)に入った。6月6日にオスの1頭が群れから離れ、32日間単独で活動していた。

 単独行動のゾウは昆明市晋寧区(Jinning)や安寧市(Anning)、玉渓市などを移動。活動地域は約140平方キロ、移動距離は約190キロで、人が用意したエサを食べたり村に入ってエサを捜したりしていた。専門家によると、ゾウは自力で群れに戻ることも生息地に帰ることも困難な状態だったという。

 7月5日になるとゾウは玉渓市北城街道の住宅区に入り、高速道路からわずか300メートル、昆玉線都市間鉄道からわずか200メートルに接近。人間とゾウがともに危険な状態になったと判断し、対策指揮部が捕獲を決めた。同じ時期、ゾウの群れ本体は約70キロ南西に離れた玉渓市新平県(Xinping)の森林地帯で休息していた。(c)CNS/JCM/AFPBB News