【6月16日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)を北上して話題となった15頭のアジアゾウと別に、17頭のアジアゾウの群れが雲南省勐臘県(Mengla)勐侖鎮(Menglun)にある中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園に入り込んだ。アジアゾウの群れは園内にとどまっており、希少な植物が荒らされないよう防護ネットの設置や保護施設の建設を急いでいる。

 熱帯植物園には約1125ヘクタールの敷地に約1万3000種の植物があり、38の植物分類区と約250ヘクタールの原始熱帯雨林がある。植物園としては中国最大の面積で、植物の種類も最も多い。

 アジアゾウは中国の中国国家1級重点保護野生動物だが、周囲とのトラブルが頻繁に発生している。長年の保護活動によりアジアゾウは徐々に増加しており、活動範囲も広がっている。5月23日、アジアゾウの群れが熱帯植物園に入り込み、24日朝から17頭が滞在している。熱帯植物園で野生のゾウが活動するのは1959年の設立から初めてのことだ。

 ゾウの群れは近くの羅梭川(Luosuo River)を何度も渡ろうとしたが、川の流れが速いため渡れなかった。群れはその後、熱帯植物園の東にある作物・育種基地に近づいている。植物園は新たに設置した赤外線カメラとドローンにより24 時間態勢でゾウを追跡し、道路を閉鎖した。

 現地は雨期に入っているため羅梭川の水量は増えている。ゾウが川を渡って移動することは難しく、群れが植物園一帯に長期間滞在する可能性がある。植物園にある約 1万3000 種類の植物、特に約1350 種類の希少植物がエサとして食べられたり荒らされたりしないよう、防護ネットなどの対策をしている。大型哺乳類の専門家や植物園職員、林業や自然保護区の職員らが連携し、アジアゾウの群れが移動ルートに戻るように導いている。(c)CNS/JCM/AFPBB News