【7月23日 AFP】白い手袋をはめ、ダークスーツにネクタイを締めて利用客を待つタクシー運転手の川口裕己(Yuki Kawaguchi)さん(26)。制服に身を包み、利用客を乗せる準備は万端だ。運転する黒い車両には、東京五輪のロゴがあしらわれている。

 しかし、東京五輪は緊急事態宣言下での開催となり、大半の会場では無観客が決まった。タクシー業界にとっては大きな打撃だ。加えてドライバーらは、常にウイルス感染のリスクにさらされている。

 日本交通(Nihon Kotsu)で働く川口さんは、新型コロナの感染状況が改善されなければ、無観客での開催は「しょうがない」とAFPに話す。「もうそれ以上となるとやらないという選択肢になる」

 8月24日から始まるパラリンピックでは、アスリートや大会関係者のために専用のタクシーやシャトルバスを運転する予定だが、それまでは通常の勤務が続くという川口さん。ミラーをのぞいてマスクを直し、夜の町にタクシーを走らせて行った。(c)AFP