【7月18日 AFP】自転車ロードレースのイスラエル・スタートアップネーション(Israel Start-Up Nation)に所属するアンドレ・グライペル(Andre Greipel、ドイツ)が17日、今年限りでの引退を発表した。グライペルは、現在開催中のツール・ド・フランス(2021 Tour de France)、第19ステージ(ムランクスからリブルヌ、207キロメートル)が行われた16日に39歳の誕生日を迎えた。

「ゴリラ」の愛称で親しまれるスプリンターのグライペルは、2011年から毎年ツールに参戦。2015年と2016年には、大会が締めくくられるシャンゼリゼ通り(Champs-Elysees)での伝統のフィニッシュで区間優勝を飾るなど、通算11度のステージ優勝を誇る。

 チームのSNSに掲載された動画でグライペルは、「間違いなくあした(18日)のステージが最後のツール・ド・フランスになる」と明かした。「チームメートと共にこれまでに成し遂げたこと全てに心から満足している」

 独ロストック(Rostock)出身のグライペルは、ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia)では7度、2009年にポイント賞を獲得したブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)では4度、ステージ優勝を経験している。

  グライペルのツールでの区間優勝は、2011年から2018年まで在籍したロット(Lotto)のチーム時代に達成した。

「感情的に過ぎたことを振り返ったりしない。好きなようにできるので、本当に幸せな気持ちで未来を見据えている。耐えるべきときは耐える。これから家族と一緒に時を過ごせる」とコメントしたグライペルは、今後について「何らかの形で自転車競技に関わりたいと思っている」と話した。

 グライペルは、かつてのチームメートで同じくスプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)と長きにわたってライバル関係が続いた。

 2009年にグライペルから「自己中心的」と批判されたカヴェンディッシュは、グライペルは真のスプリンターではないとやり返していた。

 今大会はスプリントで圧倒するカヴェンディッシュがポイント賞首位に立っており、グライペルは第12ステージで逃げ集団に食い込んで見せ場をつくった。しかし、偉大なスプリンターの存在にアタックを促されたボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)の同胞ニルス・ポリッツ(Nils Politt)が区間優勝を飾っている。

 18日の最後のチャンスでグライペルが有終の美を飾った場合、カヴェンディッシュのツール通算最多勝利記録更新は阻止されることになる。(c)AFP