【7月15日 AFP】中国南部・深セン(Shenzhen)で5月に突然揺れた超高層ビルについて、専門家チームは15日、揺れの原因は気流だったと結論付ける報告書を発表した。

 ビルは2000年に完成した、深センの中心部、福田(Futian)区にある高さ約300メートルの「賽格広場(SEG Plaza)」。5月18日に突然揺れ出し、ビル内にいた数百人が避難する事態となり、周辺を歩いていた人たちもビルから急いで離れた。

 当局は、揺れの原因は地震ではないとし、調査のためビルを封鎖した。

 福田区政府が15日に公表した報告書によると、政府の調査に参加した工学専門家チームは、揺れは風が関係する「渦励振」と、老朽化したビルのアンテナ塔が原因だったと結論付けた。

 専門家らはこの中で、賽格広場の主要構造は「通常の条件下での使用は安全だ」とし、使用を継続できると指摘。「アンテナ塔を撤去すれば、ビル内の揺れの問題は解決できると考える」と説明した。

「近いうちに」解体と修繕が行われるという。

 賽格広場では、専門家が揺れの強さと原因の調査を行った5月18日~20日に、21回の揺れが観測された。

 中国では建物の崩壊や事故は珍しくなく、建築基準の緩さや汚職に関係していることも多い。(c)AFP