■五輪初、グルテンフリー・コーナー

 他に選ばれた公募メニューには、おでんやずんだパンナコッタなどがある。

 食材は日本の全47都道府県から集められている。今大会の「復興五輪」のテーマに沿い、2011年の東日本大震災の被災地も含まれている。

 世界では今も、福島第1原発事故の影響を受けた地域で生産された食品の輸入を制限する国がある。日本側は、他国よりも厳しい基準を設け、検査を徹底していると主張している。

 大会運営局では、素材の産地は表示するが、福島県産品に特別な表示を付けることはしない。

 さらに選手村のダイニングホールには、あらゆる宗教上の制約や食事制限に対応するメニューがそろっている。五輪初となる独立したグルテンフリーのコーナーもある。

 新型コロナウイルスの流行は、延期された上で開催される今大会全体に暗い影を落としている。ダイニングホールの座席は減らされ、食事時間もできるだけ短縮しなければならない。

 それでも、西村さんは自分の料理が選手を元気づけることを願っている。

「この暑い中で練習して、オリンピックという大舞台でプレッシャーや緊張感があって、なかなか食欲が湧かないかもしれない」と言い、そんなときでも「これさえ食べればベストコンディションで大会に挑める」と太鼓判を押した。

 映像は「アスリートそうめん」のメニューを考えた西村さん、12日撮影。(c)AFP/Natsuko FUKUE