■ヘルシーな日本の家庭料理も

 世界に知られた日本食だが、選手村では現地ならではの味わいをふんだんに盛り込む。

 山根部長によると、高級料理よりもラーメンやうどんなど気取らない料理に力を入れている。人気のラーメンは、最もよく知られた醤油味と味噌味で提供する。

 一方、日本食ファンにはとても残念だろうが、生魚をネタにしたすしは出さない。食品衛生の関係よりねたは火を通したエビ、ツナ、キュウリ、梅干しなどに限られる。それでも日本食の人気定番、和牛ステーキや天ぷらは味わえる。

 世界的にはあまり知られていない和食もメニューに並ぶ。関西発のお好み焼きやたこ焼きもだ。

 加えて日本の家庭料理もある。一般市民が考案し、コンテストを勝ち抜いた逸品だ。

 神奈川県鎌倉市に住む主婦の西村陽子(Yoko Nishimura)さん(59)は、五輪が1年延期されたことで、コンテストに参加したことをほとんど忘れかけていた。「そこに連絡が来て『選ばれました、おめでとう』と。半信半疑だった」とAFPに語った。

「日本の夏と言うとやっぱり、そうめんが頭に浮かんだ」と言う西村さん。トッピングは焼きザケ、蒸し鶏、枝豆、ブロッコリー、梅干し、とろろ芋と具だくさんだ。

「サケは皮ごと使っていますので、EPA、DHA、コラーゲンとかが詰まっているのでいいと思います」と説明する西村さん。「枝豆とかもたんぱく質ですし、ブロッコリーも抗酸化作用があります」

 この「アスリートそうめん」には「いろいろ体にいいものが詰まっている」とにこやかに語った。