【7月17日 CNS】不動産価格が高騰している中国の都市で、中古住宅ローンの貸し付け業務を停止する銀行が相次いでいる。「2線都市」と呼ばれる地方の大都市のうち、南京市(Nanjing)、鄭州市(Zhengzhou)、重慶市(Chongqing)、武漢市(Wuhan)、杭州市(Hangzhou)、合肥市(Hefei)などで銀行が中古住宅ローン業務を引き締め、一部では新築住宅ローンの受け入れも停止している。

 広東省(Guangdong)にある銀行の個人ローン担当者は「多くの国営銀行は中古住宅ローンの融資残高がなくなった」と打ち明ける。

 不動産取引サービス大手の易居研究院(E-House China R&D Institute)シンクタンクセンター・リサーチディレクターの厳躍進(Yan Yuejin)氏は「ローン業務の一時停止は貸出限度額の引き下げが関連している。各地では、まず中古住宅の貸し付けを停止し、その後に新築住宅も厳しく管理している」と説明。さらに「中古住宅ローン市場は混乱が起きている。特につなぎ融資が問題だ。監督部門が管理を強化し、一部の不動産投機を取り締まっている」と付け加えた。

 住宅ローンが引き締められているのは、今年に入って不動産市場が過熱し、取引件数と価格が上昇している都市ばかりだ。国家統計局によると、広州市(Guangzhou)の5月の新築住宅価格は前年同月比11.2%上昇し、中古住宅は13.5%上昇した。重慶市では新築住宅価格が8%上昇、中古住宅価格は5.1%上昇している。

 厳氏は「不動産市場が過熱している都市では、まずローン残高の消化が優先されている。まだ承認されていないローンも早く実施する必要があるため、新しいローン事業も比較的遅くなる」と説明。「ローンの停止やローン期間の延長措置により、住宅購入者は予算や購入計画の見直しを強いられる」とみている。(c)CNS-中国経済網/JCM/AFPBB News