【7月14日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は13日、共和党の「選挙に対する破壊行為」から選挙権を守ることは、昨年の大統領選後の米国にとって歴史的な「試練」だと述べた。

 バイデン氏は、合衆国憲法発祥の地であるフィラデルフィア(Philadelphia)にある米国憲法センター(National Constitution Center)で演説し、「その権利を守るのは、私たち全員の責任だ。これは私たちの時代の試練だ」と述べた。

 バイデン氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が大統領選の結果を覆そうとしたり、セキュリティーの名の下に新たな投票規則を加えようと試みたりしていることに触れ「これは選挙に対する破壊行為だ」と糾弾した。「投票と、自由で公正な選挙の完全性にとって、わが国の歴史上最も危険な脅威だ」

 さらに、2020年の大統領選と連邦議会選は、新型コロナウイルスの大流行にもかかわらず、史上最高の投票率を記録したが、その後「米国史上最も精査された選挙」になったと指摘。トランプ氏の名前こそ挙げなかったが、結果を覆そうとする共和党の前例のないキャンペーンについて「大うそはただの大うそだ」と断じた。

 バイデン氏は、「米国では、負けた場合は結果を受け入れ、憲法に従う。そして再挑戦するものだ。不満があるからといって、事実を『うそ』と呼び、米国の実験(自由と民主主義)をくじこうとしてはならない」と語った。

 ホワイトハウス(White House)と議会民主党によると、共和党は選挙のセキュリティーを高めるという名目で、州議会を利用して各地で投票権を制限しようとしている。

 トランプ氏に扇動された共和党員らは、不正投票を取り締まるために、郵便投票の制限や投票時間の短縮、ミスをした投票所係員に重い罰金を科すことなど、投票規則の厳格化が必要だと主張している。

 共和党は米国の選挙をクリーンにするための措置だと主張しているが、民主党側は、そもそも不正行為の発生率が極めて低いと指摘。こうした措置は、民主党に投票する傾向のある黒人やその他の非白人有権者を標的にしたものだと批判している。

 バイデン氏は、「彼ら(共和党)は選挙を、投票する気が全くなくなるほど、難しくて不便なものにしたいのだ」と非難した。(c)AFP/Saul Loeb and Sebastian Smith in Washington