【7月13日 AFP】世界保健機関(WHO)は12日、医療従事者や高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいない国がある中で、富裕国が3回目接種を検討していることは良識のない「強欲」だと強く非難した。

 WHOは語調を強めながら、パンデミック(世界的な大流行)の中で故意に世界の最弱者を置き去りにすることを選ぶならば、世界は恥じながら過去を振り返ることになると指摘した。

 また、ワクチン製造会社に対しても、貧困国で一度も接種を受けていない医療従事者や高齢者用の1、2回目ワクチンよりも、3回目の追加接種用ワクチンの取引を優先していると非難した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は記者会見で、最も聞かれる質問はパンデミックの終息時期についてだと述べ、「今は手段があるのだから、すぐに終息可能だ」と話す一方、決断力のある国際的なリーダーシップが欠如しているために実現していないと指摘した。

 テドロス氏は、ワクチン・ナショナリズムが「この苦闘を長引かせている」と述べ、これを説明できるのは「強欲」の一言だけだと語った。

 また、自国以外で新型ウイルスが猛威を振るう中で3回目接種を実施することは非生産的であり、「何一つ道理にかなっていない。良識に欠ける」と強調した。(c)AFP/Robin MILLARD