【7月13日 AFP】イスラエルは12日、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、免疫力が低い人を対象に、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャー・ビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンの3回目の接種を開始した。保健省が発表した。

 当面の対象となるのは、心臓、肺、腎臓の移植を受けた人や一部のがん患者ら。

 保健省は書面で、「免疫抑制状態にある患者は、ワクチンを2回接種しても十分な抗体反応が得られないことを示す証拠が蓄積されている」と説明。新規感染者の増加を受けて、3回目の接種を決めたという。

 イスラエルは、世界で最も早くファイザー製ワクチンの接種を開始した国の一つで、先月には1日当たりの新規感染者数を一桁台にまで減らすことに成功した。

 成人人口の85%以上が接種を完了したことで、店内飲食を再開したり、大規模集会の人数制限を撤廃したりするなど、新型ウイルス関連の規制を全面解除していた。

 しかし、4月にインドで初めて確認された変異株「デルタ株」の出現により、感染が再び急拡大。1日当たりの新規感染者数は、数百人に上っている。

 専門家によると、ファイザー製ワクチンは、デルタ株に対して有効性が低下することが明らかになっている。(c)AFP