【7月12日 CGTN Japanese】中国東南部の広東省(Guangdong)にある華南農業大学の教育科学研究基地の実験水田で9日、中国の無人月面探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」に搭載されて地球に戻った「宇宙稲」が収穫を迎えました。

 8カ月前、計40グラムの稲の種もみは「嫦娥5号」に載せられて23日間の月周回旅行をし、深宇宙環境での宇宙線照射を経て、無事地球に戻りました。宇宙稲はその後、華南農業大学教育科学研究基地での数カ月間の育種や種まき、栽培を経て、ずっしりと重い稲穂に成長しました。同大学の国家植物宇宙育種プロジェクト技術研究センターの研究者が、成熟した稲の採取と収穫の作業を行いました。

 今回の宇宙稲から取られた種もみは、今秋に実験水田で種まきされた後、通常の水田に植え替えられます。今後数年間、広東の土地で「子孫」を増やし、中国の100%独自開発による新品種になると見込まれています。

 専門家によりますと、深宇宙まで搭載された宇宙稲には高い研究価値があります。地球上の通常の種は、深宇宙環境での処理を経て地球上で選出や栽培が行われることで、収穫量が多く質の高い新品種として育つことが期待されています。中国は1980年代から、穀物や野菜など数百もの宇宙品種を育てています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News