欧州選手権の決勝目前 英当局、ファンのコロナ感染拡大懸念
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【7月11日 AFP】英ロンドンで11日に行われる欧州選手権(UEFA Euro 2020)の決勝を前に、英当局は感染力の強い新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」への懸念から、ファンに大勢で密集しないように呼び掛けた。
イングランド対イタリアの決勝戦が行われるウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)には6万人以上が訪れる予定で、新型ウイルスの流行が始まってから英国内のサッカースタジアムに集まる観客数としては最多となる。
イングランドが50年以上ぶりに主要なサッカー大会の決勝進出を果たしたことを受け、当局はイングランド各地のファンゾーンやパブに大勢のファンが集まることのリスクを懸念している。
ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)の副警視監は10日、「ロンドンは依然として公衆衛生の危機にある」と述べ、人々にソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を続けるよう求めた。
ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、19日にイングランドでコロナ規制を全面的に解除する方針を示しているが、デルタ株の影響で国内の感染者数は再び増加している。
英政府は、成人の85%以上が少なくとも1回のワクチン接種を受けたことで、感染者、入院患者、死者の増加を抑えられていると主張する。
しかし、多くの専門家は、対人距離の確保や公共交通機関および屋内でのマスク着用義務を含む全規制を緩和することに深い懸念を示している。
10日にイングランド代表が練習拠点のセントジョージズ・パーク(St. George's Park)を出発した際にも、大勢のファンが歓声を上げ、マスクを着用している人はほとんどいなかった。
専門家らは欧州選手権の開催地のうち特に英国とロシアで、デルタ株の影響で同大会が「スーパースプレッダー」イベントになることを危惧している。(c)AFP/AFP Bureaus