【7月6日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は5日、イングランドで新型コロナウイルス対策として導入されているマスク着用義務やソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)などの規制の大半を今月19日に解除すると発表した。政府の命令ではなく、個人の自己責任により感染を防ぐよう訴えた。

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 規制の全面解除は当初6月21日に予定されていたが、感染力の強いデルタ株の感染拡大を受け延期されていた。英国では現在までに、デルタ株が新規感染のほぼすべてを占めるまで拡大。新規感染者が急増し懸念を生んでいる一方で、大規模なワクチン接種が奏功し、入院患者や死者の急増には至っていない。

 ジョンソン氏は「このパンデミック(世界的な大流行)は終わりには程遠い。19日までに終わることは決してない」と警告。「悲しいことながらも、新型ウイルス感染症によりさらに死者が出ることを受け入れなければいけない」と述べた。

 英国の成人のうち、新型ウイルスワクチンの1回目接種を済ませた人の割合は約86%、2回目接種を終えた人は63%となっている。ただ、自己責任での対策を強調する政府の姿勢に対しては科学者から懸念の声も上がっており、デルタ株の拡散や新たな変異株の出現により医療機関が再び逼迫(ひっぱく)する恐れが指摘されている。(c)AFP/Jitendra JOSHI