【7月11日 AFP】エチオピアで先月実施された下院議会選で、選挙管理委員会は10日、アビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相率いる与党「繁栄党(Prosperity Party)」の圧勝を伝えた。今回の選挙はアビー氏に対する初の審判となり、同氏の続投が確実な情勢となった。

 選管によると、投票が行われた地域での開票結果、繁栄党が436議席中、410議席を獲得した。

 2019年にノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したアビー氏はツイッター(Twitter)で、歴史的にみても包括的な選挙だったと述べ、「国民の意思で国を統治する立場に選ばれたことをわが党は喜ばしく思う」と投稿した。

 選挙は新型コロナウイルスの影響と準備不足を理由に2度延期されていた。

 それにもかかわらず、民族間の衝突や輸送上の問題により、547ある小選挙区の約5分の1で投票は行われなかった。こうした選挙区の多くでは9月6日に改めて投票が実施される。

 だが、8か月間紛争状態にあった北部ティグレ(Tigray)州では投票日が設定されていない。6月末には連邦軍が反政府勢力の進出を受けて同州から撤退し、連邦政府は停戦を一方的に宣言した。

 投票が行われた一部地域では、野党が選挙の正当性を疑問視している。

 連邦政府系のエチオピア人権委員会(EHRC)は、確認した限りでは選挙当日に「深刻かつ大規模な人権侵害はなかった」と報告。一方、一部の小選挙区では「不適当な拘束」や有権者への脅迫、立会人やジャーナリストに対する「嫌がらせ」があったと指摘している。(c)AFP