【7月10日 AFP】10日に行われるテニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)女子シングルス決勝で、アシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)が子どもの頃からの夢を実現させようとしている一方で、その前に立ちはだかるカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)はより重要なものを追い求めて自分を貫こうとしている。

 母国の名選手であるイボンヌ・グーラゴング・コーリー(Evonne Goolagong Cawley)氏がウィンブルドンで初優勝を果たしてから50年の節目に、バーティは同大会で自身初のタイトル獲得を目指している。

 元世界ランク1位で現在は13位に後退しているプリスコバは、世間からの「残酷な批判」に対して、自分のやり方を抜本的に変えるのではなく本来のスタイルを貫くことが正しかったと証明するべく必死でもがいている。

 決勝の結果がどうなろうとも、29歳の同選手がトップ10圏内に返り咲くのは確実となっているが、当日の目標としてあくまでもこだわっているのは、四大大会(グランドスラム)で自身初のタイトルを獲得することだ。

 WTAツアーでの両者のこれまでの直接対決では、直近のポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2021)を含め、バーティが4勝2敗(うちグラス〈芝〉コートではプリスコバの1勝0敗)でリードしている。

 今大会では1971年にコーリー氏が着用していたものに敬意を表した特別なレースが施されたウエアを身につけ、同氏のオーラを醸し出しているバーティは「イボンヌにとっては特別な記念の年」であるとし、「彼女から刺激を受けたウエアを着られる立場にいるのは、これ以上ないほどの誇り」と語った。

 そして「彼女へのトリビュートとなる歴史をつくるチャンスを得られたことに、本当にわくわくしている」と明かし、「10日にその機会が与えられたことに、これ以上ないほど気持ちが高まっている」と話した。

 直接対決ではプリスコバが負け越しているとはいえ、両者にとってはこれが初めてのウィンブルドン決勝であることから勝負は五分五分になるとみられる。

「これまでお互いに良い試合をやってきた」と話すプリスコバは、「確かに私の方が負け越している。だけど、彼女の方がかなりプレーにてこずると思う」と予想。その理由は「彼女のスライスや全体的なプレースタイルから、芝のコートでは難しいものになるはず」と分析した。

「彼女はグランドスラムで優勝しているけれど、ウィンブルドンでは初めての決勝。チャンスはどちらにもあると思う」 (c)AFP/Pirate IRWIN