【7月10日 AFP】南アフリカ・ヨハネスブルクの市長が9日、新型コロナウイルスによる合併症のため死去した。53歳だった。同国は流行の第3波に見舞われ、対象年齢を拡大してワクチン接種を進めている。

 ジェフ・マクーボ(Geoff Makhubo)市長は先月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断されていた。シリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は同氏の死を受け、「命に関わるこの感染症の脅威を改めて思い知らされた。いつ誰が感染してもおかしくない」と述べた。

 マクーボ氏の感染が分かった時は、同国ではまだ59歳以下を対象とするワクチン接種が始まっていなかった。

 50~59歳を対象とするワクチン接種は、今月1日に登録が開始され、接種は15日から行われる。しかし多くの国民が登録後すぐにワクチン接種会場を訪れ、接種を受けている。

 マモロコ・クバイ・ヌグバネ(Mmamoloko Kubayi-Ngubane)保健相代行は9日、ワクチン接種の対象者を来月1日から35~49歳まで広げると発表した。

 南アフリカは、新型コロナの累計感染者が210万人を超えてアフリカで最多となり、現在は感染力の強い「デルタ株」による感染が拡大している。

 今月3日には、1日当たりの新規感染者が過去最多の2万6485人に上った。

 8日の新規感染者は2万2910人、死者は460人で、累計死者数は6万3499人となっている。

 ウイルス学者のトゥーリオ・デ・オリベイラ(Tulio de Oliveira)氏は会見で、「南アフリカで起きていることは、ワクチン接種率が依然として低い多くの国で起きている」と指摘した。(c)AFP