【7月10日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチのジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺された事件では、実行犯グループがコロンビア人と米国人からなる28人だったことが警察により発表されたが、首謀者と動機については9日現在も分からないままとなっている。

 7日未明に起きた事件では、大統領の私邸に押し入った武装グループによりモイーズ氏が射殺され、妻のマルティーヌ(Martine Moise)氏も負傷した。8日に記者会見した同国警察によると、これまでに実行犯とされる容疑者17人が逮捕され、うち15人がコロンビア人、2人がハイチ系米国人だった。さらにコロンビア人容疑者3人が警察により殺害され、8人が現在も逃走中とされる。

 ハイチのレオン・シャルル(Leon Charles)国家警察長官は、身柄を拘束されたのは実行犯グループであり、当局は現在、事件の首謀者の行方を追っていると説明。コロンビア国家警察トップは9日に記者会見し、同国の元兵士17人が事件に関与したとみられ、うち2人がハイチ警察により殺害されたことを明らかにした。

 コロンビアメディアが9日に報じたところによると、元軍人の容疑者4人は先月4日にハイチの隣国ドミニカ共和国に入国。同月6日にハイチ入りしていた。

 米政府は、ハイチ当局の捜査に協力する意向を表明。ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は9日、連邦捜査局(FBI)などの高官が可能な限り早期に現地入りすると表明した。

 ハイチ国内では、大統領暗殺の犯人と動機をめぐる疑問が噴出。治安当局の関与を疑う声も上がっており、混乱に拍車をかけている。(c)AFP/Robenson Geffrard with Daxia Rojas in Washington and Amelie Baron in Paris