【7月9日 AFP】(更新、写真・図解追加)アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は9日、国土の85%を支配下に置いたと発表した。タリバンの主張は独自に確認が取れていない。

 タリバンの交渉担当者シャハブディン・デラワール(Shahabuddin Delawar)氏は、ロシアのモスクワで開いた記者会見で、398地域のうち約250地域を含む「アフガニスタン領土の85%」を支配下に置いたと主張した。

 タリバンは同日、イランとの国境にあるアフガン最大の検問所を奪取したと発表した。また、ロシアは、タリバンがアフガンとタジキスタンとの国境の約3分の2を支配下に置いたと明らかにしていた。

 タリバンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はAFPに対し、「イスラムカラ(Islam Qala)の検問所はいまや、われわれの完全な支配下にある。きょう中の運用再開を目指している」と述べた。

 アフガン政府は現時点で、タリバンによる同検問所の奪取を確認していない。また、AFPもタリバンの発表について、独自に確認できていない。

 イスラムカラは、アフガニスタンの主要通関所の一つで、イランとの正式な交易の大半がここを通過する。

 米主導の連合軍が撤収する中、タリバンは5月上旬から全国で攻撃を開始している。タリバンが奪取した主要な国境検問所は今回で二つ目となる。

 一方、ロシアは9日、タリバンがアフガンとタジキスタンとの国境の約3分の2を支配下に置いたと明らかにした。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は、「アフガンとタジキスタンの国境で緊張が急激に高まっていると理解している。タリバンは、国境地帯の大部分を迅速に占領し、現在この地域の約3分の2を支配下に置いている」と述べ、全ての側に「自制」を求めると付け加えた。

 タリバンは先月、アフガン軍との激しい戦闘の末、タジキスタンとの国境にある主要検問所シルハンバンダル(Shir Khan Bandar)を奪取。多数のアフガン兵がタジキスタンに逃げた。(c)AFP