【7月7日 AFP】米中央軍(CENTCOM)は6日、米軍のアフガニスタン撤収が9割以上完了したと発表した。米軍の撤退により、アフガン政府は単独で旧支配勢力タリバン(Taliban)との戦いに臨むことを強いられている。

 米中央軍によると、米国は9月の完全撤収期限に先立ち、7基地を正式にアフガン側に引き渡し、C17輸送機ほぼ1000機分の軍備撤収を終えた。

 アフガニスタンでは複数の州で戦闘が発生しているが、タリバンは特に北部の地方部で激しい攻勢をかけており、過去2か月で数十の郡を掌握した。タリバンが急速に勢力を拡大する中、先週には米軍の対タリバン作戦拠点となっていたバグラム空軍基地(Bagram Air Base)がアフガン側に引き渡され、米軍の空爆支援が大幅に縮小。国内情勢の悪化につながる恐れが出ている。

 5日には、アフガン兵1000人以上が隣国タジキスタンに逃げ込む事態も発生。タジキスタン軍は国境地帯への増派を強いられた。アフガン政府は翌6日、北部に数百人の部隊を派遣。ハムドラ・モヒブ(Hamdullah Mohib)大統領顧問(国家安全保障担当)は記者会見で、タリバンに奪われた地域をすべて奪還すると宣言した。(c)AFP