【7月11日 AFP】体高51センチという小さな牛を見ようと、新型コロナウイルス対策の全国的なロックダウン(都市封鎖)中にもかかわらず、バングラデシュの首都ダッカ近郊の農場には、大勢の人が詰めかけている。飼い主は「世界最小の牛」だと主張している。

 ダッカの南西30キロに位置するチャリグラム(Charigram)の農場で飼育されている生後1年11か月のラニ(Rani)は、多数の新聞やテレビで取り上げられ、一躍有名となった。

 ソーシャルメディアに投稿されたラニの写真を見て、大勢の人がリキシャ(三輪タクシー)に乗って、農場に押し寄せている。

 近くの町から来たというリナ・ベーガム(Rina Begum)さん(30)は、「こんなのこれまで見たことがない」と述べた。

 ラニは体長66センチ、体重わずか26キロで、飼い主らはギネス世界記録(Guinness World Records)に認定されている最小の牛よりも10センチ小さいと主張する。

 現在、世界最小の牛に認定されているのは、インド南部ケララ(Kerala)州で飼育されているマーニキヤム(Manikyam)だ。ラニが暮らす農場を経営するM・A・ハサン・ハウラダー(M.A. Hasan Howlader)さんは、巻き尺を使いながらラニが、マーニキヤムより小さいことを見物客に示した。

 ハウラダーさんはAFPに対し、「新型コロナウイルス対策のロックダウンが行われているにもかかわらず、遠方から人が来る。大勢がラニとセルフィー(自撮り)を撮りたがる」と語った。3か月以内にギネス記録が認定されるかどうか分かるという。

 ハウラダーさんは、「たった3日間で、1万5000人以上がラニを見に来た」と話す。「正直言うと、疲れている」

 ギネス世界記録によると、「Vechur」種のマーニキヤムのギネス認定された2014年6月の体高は61センチだった。

 ラニは「Bhutti」種だが、大きさは同農場で飼育される同品種の半分ほどだ。

 チャリグラムの地域の主任獣医師は、ラニは「遺伝子的近親交配」により生まれたもので、これ以上大きくなることはないと指摘した。(c)AFP