【7月8日 AFP】米ニューヨーク・マンハッタン(Manhattan)で7日、新型コロナウイルス流行下でも日々の暮らしに欠かせない業務を継続して都市機能を維持したエッセンシャルワーカーを「英雄」とたたえるパレードが行われた。

 医師や看護師、介護士、配達員、公共交通機関の職員やフードバンクのスタッフら数百人のエッセンシャルワーカーたちは、紙吹雪の舞う中、ブロードウェー(Broadway)南端部の「英雄の渓谷(Canyon of Heroes)」と呼ばれる道のりを楽団と共に行進した。

 先頭のリムジンの後部座席には、昨年12月半ばに米国で最初に新型コロナウイルスワクチンを接種した看護師のサンドラ・リンゼイ(Sandra Lindsay)さんが座った。「英雄の渓谷」は、19世紀から国家元首や宇宙飛行士、スポーツ大会優勝者らをたたえる数々のパレードが行われてきた伝統の地。

 集まった人々は「ありがとう」と書かれたプラカードを掲げ、歓声を上げた。

 米国の経済と文化の中心地ニューヨークでは、コロナ禍で3万3000人もの命が失われた。心に深い傷を負った市民も多い。こうした中、「ビッグアップル(Big Apple)」の愛称で親しまれる都市の最も暗い時代の一つを支えた人々に感謝しようと、沿道には大勢の市民が詰めかけた。

「彼らのような、日々の仕事に従事する知られざる労働者たちが、文字通り私たちの命を救った」と語った女性は、ロックダウン(都市封鎖)中も働き続けたエッセンシャルワーカーの賃金や待遇の改善を訴えるプラカードを手にしていた。「彼ら全員の尽力とワクチンのおかげで、私たちは今ここにいられる。こうして祝うことができる」

 エッセンシャルワーカーたちも、看護師の増員や危険手当の支払い、罰金の撤廃など、それぞれ要求を記したプラカードを掲げて行進した。(c)AFP